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2007年09月06日

日々、楽しんでこそのライター稼業

シナリオライター 日野光里さん

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日野光里
SOHOライター、産業カウンセラー、キャリアコンサルタント。シナリオを中心に、メルマガ・ウェブテキスト・コピー・小説など、あらゆるウェブ系ライティングを網羅する仕事ぶりは有名。と同時に、さまざまな交流会への出席率の高さも比べる者がないと言っていい。
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始めるにあたって、これといった元手のいらないライターという仕事。でもちょっと敷居が高いような気がするのも確かです。
シナリオライター・日野光里さんに、「今からライターを目指す人」にエールを送っていただきました。

―日野さんがSOHOライターを始められたきっかけは、ご自身をモデルにしたネット小説「ママはSOHOライター」に詳しく書かれていますね。

日野:最初に就職したのが広告代理店で、出産後に雑誌社に勤めました。いろいろな要因で、会社員としてライター続けることはできませんでしたが、ある意味それがSOHOという形態で働くきっかけを与えてくれたんです。

―SOHOライターとしての最初の仕事は。

日野:ある会社が募集していたメルマガライターでした。コンペ形式の募集でしたが、そこで選ばれたことで「あ、私の文章でお金が稼げるんだ」という自信を持つことができたんです。だから最初の頃はコンペ形式ばかりを狙っていました。「私にできるのはこういうことです。これでよければ、使ってください」と。そうやって実績を積んでいくと、それが仕事につながるようになります。
 自分では分からなくても、コンペで選ばれるならなにか光るものがあるに違いないと思うんです。そういう目をもって人を選定するのがプロの編集者だと思えば、選ばれた時点でもう自信を持っていいんですね。

―募集は東京など中央のものが多く、さらに「直接会える」ことが仕事を請ける条件ということが多いですね。

日野:ところが、今までの私の仕事はほとんどが東京の会社からのものですが、実際に会ったクライアントは数えるほどもありません。
 会ったことがあるかどうかよりも、本当に書けるライターに依頼したい。そう考えるクライアントはちゃんとあるし、SOHOという形態を考えるとそれが本当のような気もするんですが…。

―実力のある者が仕事を得る。考えてみればもっともな話です。その実力はどうやったらつくでしょう。

日野:「公募ガイド」(公募ガイド社)から始めるのがお勧めです。この本に載っている公募にどんどん応募して小銭を稼ぐところから。

―それ自体、少々ハードルが高い気もしますが…。

日野:いろいろなテーマの募集がある中で、みんなが応募しやすいものは、それだけ倍率が高い。ちょっと地味なテーマでも、自分にとって得意なもの、面白そうなものを選んで応募するんですね。どれが自分にとってねらい目かを見極めるのも実力の内かもしれません。それで賞を取ることができれば、自信がつきますよ。

―自分の得意分野を持つことが大切なんですね。

日野:たとえば、看護士さんだった人なら『医療系』、美容師さんだったなら『美容系』のライティング…など、元の仕事が大きく影響する場合もあります。
 逆に、いろんな職業を経験した人は、それなりの見る目を養っていると言えるでしょう。
 また、テーマには流行りすたりがあることも分かっておかなくてはいけませんね。自分の得意分野にこだわっているうちに、時流に乗り遅れることがないように。最前線の分野は何なのか、どのポイントに努力を注ぐべきかを見極めるのも、SOHO―個人事業主としての力量だと思います。

―時流を見極めるためには、どうすればいいでしょう?

日野:マッチングサイトをマメにチェックすることは大事ですね。今、どういう種類のライティングが求められているのか、募集内容をいつも見ていれば自然と飲み込めてきます。
またSOHOの交流会などの人が集まる場所へ積極的に出向くと、裏話などが聞けたりして面白いですよ。

―SOHO初心者にとって、交流会という場は非常に緊張するものですが…。

日野:自分を売り込もうと思うと、きっと力んで緊張してしまいますね。交流する場なんですから、ただ『しゃべりに行く』という感覚でいいんですよ。私は仕事と思って参加してはいません。楽しくおしゃべりしたり、おいしい物を食べたりしているうちに、自然と業界の今の流れが見えてくる…。
 まあ、もともと私は初対面の人と話をするのがまったく苦にならないんですが、こういうことが逆にストレスになるなら無理はいけません。ただ、せっかく参加したなら、壁の花になるのだけはもったいないですね。

―得意な分野が決まったとして、ライターを名乗る場合もう一つ気になるのが、自分の文章力です。

日野:小説家と違い、ライターの仕事にはいわゆる“文才”はあまり関係ないように思います。必要なのは、自分の周りの物事に興味を持ち、突き詰めて考えることができるという資質ではないでしょうか。要は、読むこと、考えること、書くことを心から楽しめるかどうか。

―その中で、文章も上達していくと。

日野:上手な文章って、読んで気持ちのいい、リズミカルな文章だと思うんです。リズムは体の中から湧き出てくるものですから、それには本をたくさん読むのが一番でしょうね。

―日野さんは、ご自分で「活字中毒者」と名乗られる程の読書家ですが、忙しい中でどうやって読書の時間を作っていらっしゃるのでしょう。

日野:お風呂に入りながら読むんですが…。
 私の場合、読書は食事や睡眠と同じくらい自分に必要なものなんです。だから本が読めない期間は、同時にお風呂にも入れない。それくらい忙しい時です。本に枯渇しながら仕事をして、ひと段落ついたら貪るように読みます。「読まなきゃいけない」のではなくて、「読まないと生きていけない」。やっぱり、好きだからこそなんですよね。
 孔子の言葉に「これを知る者はこれを好む者にしかず、 これを好む者はこれを楽しむ者にしかず」※(注)というものがありますが、この言葉に尽きると思います。

―最後に、今からライターを目指す人に一言。

日野:ライターとしての眼で見れば、自分の周りの出来事はすべてネタなんです。それをただ単に知識として蓄えていてもしかたありません。
 「大切なのは、知識を使いこなす知恵を身につけること」―どこでどの知識を使うか頭がまわる人の方が、単にたくさんものを知っている人よりもライター向きだということです。

―身の回りの出来事を関心を持って見つめることができるのは、感覚のアンテナをピンと張っていてこそですよね。ありがとうございました。


※(注)「これを知る者はこれを好む者にしかず、 これを好む者はこれを楽しむ者にしかず」…【孔子】
何事もそれを知っている人は仕事をよくこなしますが、その知っている人よりもこれを好きな人はもっと上手にやるよ、そしてそれを楽しんでいる人はもっと上をいくよ、という意味。


取材後記
体験から出た力強い話は、説得力満点でした。それに、話す言葉がリズミカル。言葉が内側から溢れ出すようにお話をされます。活躍の場を次々と広げている日野さんですが、取り澄ましたところのない、本当に気さくな人柄。人をひきつける文章を書く人は、やはり人間性も魅力的です。  


Posted by 桑原美砂子 at 01:30Comments(2)

2007年09月06日

主婦、ママ、SOHOであることを強みにかえたい!

マーケティングプランナー 寺島みちこ さん


●寺島みちこ/マーケティングプランナー。
タウン誌編集長、アートディレクターとしての経験と実績を活かして
生活者の視点にたった提案を企業に送る。
OPEN TERASほか、SOHO・起業家の交流づくりも。
クチコミュニティ塾・公認インストラクター。

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手渡された二つ折りの名刺。
開くと、それをくれたのがどんな人で、何ができるのかがひと目で分かるように
プロフィールや業務内容が詳しく丁寧に書いてあります。
「ぱっと見てすぐ分かる、を、大切にしたいんです。」
そう言ってにっこり笑うのは、名刺の主
クリエイティブオフィス TERAS 代表 寺島みちこさんです。
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■みんなの喜ぶものを

 寺島さんの職業はマーケティングプランナー。「売りたい」企業と「利用する」消費者の仲立ちをして、どうすれば両者にとってより良い物を生み出すことができるか、日々考案しています。仕事をする上での信条は「みんなの喜ぶものを作りたい。」
 その視点から、営業、デザイナー、ライターなどさまざまな分野のプロフェッショナルを結び付けて、仕事をディレクションしていきます。
 「フリーのプランナー・ディレクターなんて、無理だよ。」
個人でこの仕事を始めようとしたとき、そう反対する声もありました。それでも「仕事をしたい」という寺島さんの情熱が消えることはありませんでした。

■SOHOスタイルとの出会い

 大学卒業後、就職したのはタウン誌の編集部。4年間の編集部生活で、物ごとに話題性を持たせるにはどうすればいいのか、周知させるためには何が必要なのか、交渉事はどう進めるのかということを体で憶えました。また取材を通して地域で何が望まれているのかということにおのずと敏感に。「地域のために」「みんなの喜ぶものを作り、広く知らしめる」というテーマが、寺島さんに確立したのはこの時期です。
 フリーライターに転身した後、知人の紹介で大手企業のアートディレクターという職に就きました。顧客の販売促進のために、本格的に企画・ディレクションを勉強。仕事にやりがいを感じて、これが自分の天職だと心に決めた矢先、結婚・出産という人生の大舞台に立つことに。そして夫の転勤。
 苦渋の決断で仕事を辞め、夫とともに広島へ引っ越したものの、仕事への思いは募るばかり。とはいえ、かわいい盛りの我が子を見ると、自分の手元で育てたいという気持ちは絶ち難く、仕事か育児かという迷いからストレスは溜まる一方でした。そんな時耳にした「SOHO」という言葉が、寺島さんにスイッチを入れたのです。7年前のことでした。 取る物もとりあえず、パソコンを一揃え買って自宅にセットし、「仕事をしよう」と決めました。営業するうち、広島に女性専門のマーケティング会社があると知り、アプローチ。これを機に、フリーのプランナー・ディレクターとして、女性客け販促プロジェクトを手がけていきました。

■リスクはチャンスを生み出す

 その後も転勤でたびたび引っ越す中で、やがて子どもは3人になりました。でもそれは寺島さんにとって、もはや仕事へのネックとはなりません。それどころか妻となり、母となったことで、「本当にいいものを伝えたい」という地に足の着いた発想が湧くようになりました。在宅でなら、どこに居ようと仕事は続けられるのです。
 もちろんオフィスワークと比べれば、できないことは山のようにあります。子育ては常に時間を細切れにします。営業に出ることもできません。では、どうすればいいか考えるのもディレクションです。自分では出来ない部分を、その道のプロとコラボして、結果を出す。その仕事のスタイルを、寺島さんは引越し、出産、育児を繰り返しながら確立してきました。

 寺島さんの夢は「九州から世界一を作ろう」。それは初めて就職したしたときから変わらない、「地域のため」という想いを形にすることです。「九州はいい素材がいっぱい。でも、ブランディング、商品づくり、PRが弱く、もったいない! クリエイティブ、マーケティあング力で、世界一の商品・サービスづくりのお手伝いがしたいんです」。 
自分にできるやり方で在宅で仕事を続け、コツコツと実績を築いてきた寺島さん。「SOHOであることを強みに! 個々の向上と、ネットワークこそ、地域、企業発展の原動力になるはず」。妻、母、SOHOであること全てを強みにかえて、夢の実現を目指しています。
  


Posted by 桑原美砂子 at 00:36Comments(0)